ALIVE 生き続ける芸術 会場の様子

おかげさまで連日あちこちからお客さんが来られてありがたい限り!

残すところ1週間を切り8/11まで。

会場の様子を何枚か貼ってみます。

今回ぼくのはPOORMEN COSMYTHというシリーズを中心に展開。

いろんな条件がある世の中で、本当はあるはずの可能性を見失いかけているPOORMEN(持ってないやつら)。

野に生きる生き物たちは人間が作り出すあらゆる条件なんか知らない。あらゆる条件、境い目、思慮分別、これらは、時に人を自由ではなくしてしまう。本当はそんなことないのに。

だからプアメンに無数の尖りを書きまくってやった。知るかそんなものって。突破する小さなきっかけ、理屈でどうにもならないものをねじ伏せろ。理屈でどうにもならないものは大ボラ吹いてぶっ超える。それがぼくは化粧の始まりであり、神話の始まりでもあるんじゃないかと根拠もなく思う。

COSMYTHはCOSMETICでもあり、MYTHでもある。MYTHとは神話であり、大ボラの揶揄でもある。

弱者の嘘や不正が目ざとくしつこく追求され、大きなものの嘘や不正は野放しでだから、開き直ってますます肥大する。

神話の名を借りた大ボラ、それが何になるというのか、それでもなんかこれを書かなきゃいけない気がした。大手チェーンのコンビニ弁当を食べながら、そんなことを思った。

会期は8/11まで。ぜひともよろしくです!めっちゃ堀尾さんの作品もいいから。

ALIVE 生き続ける芸術 @Gallery Nao Masaki

Vol.121

ハシグチリンタロウ・堀尾貞治  Lintalow Hashiguchi / Sadaharu Horio

ALIVE 生き続ける芸術」

2019.7.27 – 8.11

12:0020:00 (火曜日休廊)

@Gallery NAO MASAKI, Nagoya

昨年80歳を目前に逝去した美術家・堀尾貞治は1960年代半ばから具体美術協会のメンバーとして協会解散まで活動した。その後も日々の中に芸術を通じて真理を求める堀尾の活動は、「あたりまえのこと」という主題となって、その生を終える前日まで朝一番に行われる「一分打法」と呼ばれる業とも思えるような平面作品制作や、「色塗り」と題し、一日一色一本のアクリル絵の具をアトリエ中に所狭しとぶら下げられた作品に塗り重ねていく作業として毎日続いていくこととなる。

いわゆる生きる痕跡としての作品たちは膨大な数となり、時には形に留めるよりも、今そこに在ることに焦点を合わせるため残らなかった物も多い。堀尾のいう「あたりまえのこと」は「空気」のことだという。生きていく上でなくてはならない、しかし、普段は気づかれることもなくただ存在しつづける「あたりまえのこと」を無垢な心で生涯、真実を追い求めた姿こそが彼の遺した芸術であろう。

 

一方、堀尾が一生の主題を求め始めた1985年、ハシグチリンタロウは長崎に生を授かる。パンクやロックのビートやワードを起爆剤として、幼少期から始めた書を媒体に、言語化できない日々の感情や感覚を断片的なキーワドや記号を手掛かりに書きなぐるように制作する。現代書家井上有一の「書は万人の芸術である」という言葉に感銘を受け、高価な筆を捨て、身近なタオルを使って大型の作品を身体いっぱいで制作する姿が特徴的だ。ハシグチリンタロウが近年取り組む作品シリーズ「POORMEN,COSMYTH」の「POORMEN」とは、現代社会の片隅で生きるひとりの人間としての自己のことであり、また様々な条件によって可能性を見失いかけている人たちのことである。COSME(化粧)とMYTHOLOGY(神話)からなる造語は、かつて古代人や神話の中で、人間が獣の姿をかりて野生を畏れ、尊び、在る種その力さえも取り込もうとしたであろうことから着想し、自分自身を変容させる力として作品に向かう。何度も繰り返されるその異型の文字は、同時に異型の生命体の姿の様にも思える。

 

ハシグチ、そして46歳年上ではあるが堀尾も、その日々の思想や着想を膨大なノートに書き綴る。世代の違う二人の稀有な芸術家たちは実際には出会うことなく、しかし多くの類似点を持つように思う。生きる痕跡としての芸術の姿を存分に現している作品の数々は今も生き続け、新たに生まれ結ばれようとしている。戦後の前衛芸術にも影響を受けたというハシグチリンタロウ作品が、前衛芸術運動家として生き抜いた堀尾貞治作品と共に会場を埋め尽くす今展はALIVE、芸術は生きているという他ない。混沌とした現代において自身の葛藤から目をそらさず真理を求める二人の芸術家の姿は、問いと抗いとして私たち現代人の眠っている野生を呼び覚ますような本質的な衝撃を与えてくれるであろう。

 

Gallery NAO MASAKI

正木なお

ハシグチリンタロウ_Lintalow Hashiguchi [1985-  ] 

1985 長崎県生まれ。2004 福岡教育大学 書道課程に入学。

10代の頃に音と感情と言葉が混然となったパンクロックに出会い、創作活動の原点的な体験となる。伝統的な書道技術や美意識を学ぶも、60年代の舞踏や具体、岡本太郎などの前衛芸術に影響を受ける。特に前衛書の井上有一には多大な影響を受け、「書は万人の芸術」であり「日常から生まれた、日常を生きるためのエネルギー」との考えに至る。2008 福岡 IAF shop*で初個展開催。以後精力的に作品発表を行う。2012 日常から遠くなり高価な伝統的な毛筆を使うことをやめ、身の回りにある安価なタオルで書くようになる。2015 井上有一の顕彰展「天作会」メンバーに抜擢。2016年以降はロックの音に着想を得て、アルファベットやギザギザとした音の波形のような作品を制作。2018 日本初の書道専門の現代アートフェア「ART SHODO TOKYO」に選出、2019年新宿ルミネアートアワードにてグランプリ受賞、注目される。

Gallery NAO MASAKIにて– 

〈グループ展〉2019 「現代の書 ART SHODO  3人軌跡」

 

堀尾貞治 _Sadaharu Horio [1939-2018 

1939年神戸市生まれる、兵庫県在住。1965年具体美術協会会員となり1972年解散まで参加。

《主な展覧会》2002 堀尾貞治あたりまえのこと(芦屋市立美術博物館)、 2005 横浜トリエンナーレ 2005 堀尾貞治+現場芸術集団「空気」連続82日のパフォーマンス、  2013 Gutai: Splendid Playground オープニングパフォーマンス (グッゲンハイム美術館 /ニューヨーク) 2014 堀尾貞治「あたりまえのこと<今>」( BBプラザ美術館 / 神戸) 2016 A Feverish Era in Japanese Art/ BOZAR (ブリュッセル美術センター/ ベルギー・ブリュッセル) 2017 東アジア文化都市2017京都「アジア回廊 現代美術展」堀尾貞治+現場芸術集団「空気」(京都2018 Axel Vervoord Gallery個展(ベルギー・アントワープ, 香港)

1985年頃から「あたりまえのこと」という一貫したテーマのもとに年間約100回に及ぶ無数の個展、グループ展、パフォーマンスなどを国内外で行う。201811月死去。

MEI SOUND SYSTEM




形あるものはいつかは姿を変えていく。

ロッカーたちは生きて音を鳴らしDISK やVIDEOやそれにすらならないものを撒き散らしながら去っていった。

僕はその断片をくっ付けてサウンドシステムをでっち上げることにした。

個には限りがあるけど、そこに共鳴する者がいる限り、たとえそれが変わっていく中にあっても、その精神は不滅だと思う。

時代も境遇も違う自分の中に会ったこともない人々の精神が生きている。

ものと精神、見えるものと見えないもの、外側と内側、それを1つの画面の中に共存させることはできないかと考えた。

REMESIS

以前作っていたMIMESISというシリーズからの発展系。


今回も音楽からインスパイアされたもので、MIMESIS小型版の再制作というよりは、remixのイメージ。

鳴とWAKEMOWAKARAZUの反復や反転、画数を足していったりしながら出来ていった。

それが結果的に次の連作MEI SOUND SYSTEMに繋がっていった。

2018年1月のIAFの個展から、一年が経ち、すっかり間が空いてしまいましたがその後の活動を少しずつアップしていきたいと思います。まずは、昨年の4月にあった三鷹市でのART SHODO TOKYO第一回目の様子からアップしてみます。





併せて、ミライショドウ第2弾も刊行。

個展『GOGGLES GAZE GARBAGE GARBAGE!!』


お久しぶりです。

長らく空いてしまいましたが、久々の更新です。1/25-28の4日間、福岡市中央区のアートスペースIAF shop*にて個展を開いておりました。

おかげさまで無事終了しました。4日間と短い会期でしたが、たくさんの方に来ていただいて有難うございました。御礼申し上げます。
IAFは2008年に初個展を開いた場所で自分にとってとても思い入れのある場所です。10年前の個展を見てくださった方が10経ってまた同じ場所で、その後の作品を見に足を運んでくださるというのがどれだけ有難いことなのか、そんなことを車の中で考えながら、自宅に帰りました。
Facebookで知り合った方、友人伝いに聞いて来たくださった方、IAF佐藤さんのblogやテキストを見て興味を持ってくださった方も来られて、そうした出会いも新たにありました。
10年前の個展とか前回の4年前は、作品について話したりするのが下手で、苦手だったし今もあまり変わらないのですが、作品を作り続ける中で、下手なりに自分の中に実感を持っていることだけは話すことが出来たのかな、そうした手応えもありました。
これも作品をついて話す仲間を得られたことや、ここ2年くらいの間にあちこちで作品を発表する機会をくださった色んな方々のお陰です。
さしあたっての展示の予定は今のところ無いのですが、今後とも作業場に入って書き、1日を終え、また入る。可能な限りそうした毎日を送っていきたいと思っています。

以下会場の様子↓

みなさん本当に有りがとうございました!!

\GUSH!/


《グループ展 \GUSH!/ 開催のお知らせ》
参加作家

久保山 泰子

グウ ナカヤマ

本城 研石

森本 順子

横溝 幸治 

ハシグチリンタロウ

の6名による書道の展覧会
内容

書家・井上有一を顕彰する「天作会」を通して知り合ったメンバーによる自主企画展です。
井上有一は東洋の伝統文化「書道」を、日常の生活の中から生まれる一個人の表現物という視点から追求し、国内外の書道、美術の枠を超えた多くの芸術家たちに新たな書道の可能性を示しました。
今回集まったメンバーはそうした流れを汲みつつも、では自分には何ができるだろうか?という取り組みを日々ささやかに続けています。
それぞれの生活の中で、

伝統的な立場を踏まえて新しい書道の可能性を探るもの、

日々の日常の呟きをひたすらに書きつけているもの、

文字/絵画/記号の境界に立って独自の書の在り方を模索するもの、

などなど、実に様々な立ち位置で日々探究をしているメンバーたちが集いました。
GUSHとは英語で「湧き出すもの」という意味を持っています。

それは、一見得体の知れないものに見えるかもしれませんが、それぞれの作家達が日々掘り下げていく中で発見した自分だけの水脈であり、それゆえにみずみずしさを湛えた表現物たちが江之子島の会場に満ちることをねがって付けたものです。
現状まだまだ準備すべきことが山積みで、会期スタートまでにどこまでいけるか未知数ですが、そうした気持ちを持って当日まで準備をしていくので、ぜひその光景を見てみませんか?
(僕も当初のプランの作品を既に準備していたのですが、また考え直して、その先のものを展示しようと毎日考えているところです;)

ぜひご来場よろしくお願いいたします!

http://www.enokojima-art.jp/e/event/2017/09/14/6203
会期:2017年11月14日(火)~11月19日(日)

時間:火曜日-土曜日11:00~18:00

           日曜日11:00~16:00
場所: 大阪府立江之子島文化芸術創造センター 4階

(大阪市西区江之子島2丁目1番34号)
アクセス→大阪市営地下鉄千日前線・中央線「阿波座駅」下車、8番出口から西へ約150m。

MIMESIS その後


疾駆(YKG publishing)より作品カタログとしてリリースされた 「ミライショドウ」に収録していただいた作品「MIMESIS」。

僕にとっても画期的で印象深い作品です。

これは右に「鳴」という漢字と、左に「WAKEMOWAKARAZU」とアルファベットで書いた言葉の塊が対峙するというつくりをしています。

これは爆音でそこに鳴り響く音楽に、驚き感激した自分のレスポンスをそのまま作品化したものです。

そしてそれは同時に東洋が誇る発明「漢字」の時代を超えた機能性とビジュアルの美に対して、現代人としての自分の率直な感興をスタイルとして打ち立てたいという思いも同時に含んでいます。

それを作ったのがちょうど1年前の夏。

その後もこのモチーフについて考えていたものが新たな展開に結びついたので連作として今年の5月頃から着手しました。










小さいサイズの一点をkegon galleryにて取り扱ってもらっています。

kegon gallery HP
カタログ「ミライショドウ」はこちらより

「ミライショドウ」 疾駆HP

ノイジイ・ライジン  と  ソフティ・フウジン

祖父はTVのスイッチを点け、ボリュームを上げる。

祖母は、扇風機のスイッチをつけ、そよ風が部屋に吹き渡る。

「ああ、これは現代の風神と雷神の姿なのかもしれない」

そんなことを思った。

これはその時点ではシリーズとして軌道に乗らなかったが、その後の作品の大きなヒントになった。